2019年2月14日

群馬大学でハッカソンを行いました

イベント

それは、2018年も終わる、LeapMind最終営業日と、その前日のことです。私、HR Divisionの飛永は、主にDeLTA-Kitの開発を行うSingle Board Computing Divisionに属するHW Engineer、多治見と共に、群馬県太田市にある群馬大学へ向かいました。綺麗なキャンパスの周辺には自動車や機器メーカーが多く集まり、群馬大学と共同研究を多く行なっています。このキャンパスで、学生は日々研究に没頭するのです。

冬晴れに恵まれた12月26日、私たちは、ここ、群馬大学太田キャンパスにてハッカソンを行いました。

そう、9月に金沢工業大学で行なった、ハッカソンです。記事はこちら。内容も、ほぼ同じなのですが、今回はなんと、約....約2倍強、28名方にご参加いただきました!しかも、学生と企業の方が1:1という脅威の比率。こんなに企業の方々にお集まりいただけるとは思っておらず、驚きを隠せないままハッカソンを開始しました。

まず、私たちLeapMindについて、働くヒトや技術、DeLTA-Familyについてお話させていただきました。真剣に聞くみなさんの表情が、想像以上に強張っていたため、空気を和やかにさせるよう、時々ジョークも交えることで、笑いを引き出すことに成功しました。やった!

後方からのハッカソンの様子

ハッカソンについての説明を行い、参加者による自己紹介タイム。学生の方は普段の研究について、企業の方は職種と普段の業務内容について教えていただきました。なんと、群馬大学の学生さん以外にも、東京電機大学の学生さんもいらっしゃいました!うれしさと驚きのあまり、ニヤけが止まりません。企業の方は、自動車系から電子機器、FA系、フリーランスまで分野がさまざま。年齢層も20代から60代までいらっしゃり、組込みDeep Learningが多くの方の興味の対象となっていることを実感しました。

2日間の流れを説明したのですが、年末という時期もあり初日しか参加できない方が半分ほどいらっしゃいました。しかし、LeapMind、大丈夫です。こんなこともあろうかと2日間のスケジュールと1日のみのスケジュールをご準備させていただきました。

2日間参加チームと、1日のみ参加チームに分け、4人グループを作っていただきました。1日のみ参加チームの方には、「組込みDeep Learningを使ったビジネス提案」をテーマにディスカッションしていただきました。

3つのチームのディスカッションの内容が書かれたホワイトボード

①チームは「スマートトラフィックライト(STL)」を提案。車5~6台を1ロットとしてラベル付けし、車の交通量に応じて、信号を切り替えるというものです。

②チームは「潜水艦や宇宙船、災害時の探索ロボットに乗せ迷子を探す」と言うものです。普段の生活でもドライブレコーダーと併用することで迷子を探せるのではという内容でした。

③チームは駐車場の管理を行い、空いている場所を教えてくれるというものです。他にも、手書き文字の認識についても提案していただきました。

どれも実用的なアイデア!このアイデアを元に、学習画像を収集し、DeLTA-Liteで簡単にモデルを作成する体験をしていただきました。

2日間参加チームには、DeLTA-Liteで構築するDeep Learning識別モデルのテーマを決めていただきました。そして、「組込みDeep Learningでないといけない理由」と共に、何を識別するか発表していただきました。

Aチームは自動運転で活躍できそうなテーマ。「道の上にある、人や猫やゴミを認識する」というもの。今回は2値の識別のため、「道に人がいるかどうか」を識別することにしました。ドライブレコーダーに組込みたいとのことです。

Bチームは企業の方のみのおじさまチーム。コンビニやスーパーでアルコール類を買うときに二十歳以上かどうかのボタンを押すのに億劫であることから、今回のテーマは「成人済みかどうか」になりました。明らかに二十歳を超えている人にはボタンの処理をスルーさせたいとのことです。レジ上部に組込みたいとのことです。

Cチームは学生企業混合チーム。アジア圏外国籍の方が多いチームだったこともあり、「完熟バナナを見極める」というテーマで決まりました。バナナの出荷時は緑色で、スーパーに並ぶときに黄色になるよう、調整していますが、どの黄色が一番美味しい時期なのかわからない....美味しい時期のものをスーパーに並べたいという思いから、バナナ売り場に設置し、「これが一番!」と提案してくれるものを作りたいとのことです。

Dチームは学生、先生混合チーム。「ダサい服かどうか」識別するというものでした。大学に行くときもオシャレしたいけど、オシャレかどうかわからない。家の鏡の前に立ったときに教えてくれたらいいのに....という思いから、学生らしいテーマがでてきました。オシャレかどうかは4人の独断と偏見で行うそうです。大学生の思う、オシャレかどうかの判別になりそうです。

そして、各チーム学習データのための画像収集。ImageNetやGoogle画像検索などを駆使して正解不正解それぞれ1000枚以上の画像を集めていただきました。

学習データのための画像収集を行う様子

フォルダを分け、DeLTA-Liteにアップロードしたところで、1日目は終了しました。

日付も変わり12月27日。全チームのDeep Learning識別モデルが完成していました。(計算通り)

ここから、各チームのモデルを全員で確認していきます。識別モデルを入れたSDカードをDeLTA-Kitに挿入し、カメラで対象物や画像を映していきます。結果画面はプロジェクタに映し、全員でレビューを行ないます。

まずはAチームの「道に人がいるかどうか」を見ていきます。人や猫がど道路にいる画像が少なかったようで、ほとんどの道に物がないと識別してしまいました....。

続いてBチーム「成人済みかどうか」の識別です。今回の参加者の年齢層が幅広かったこともあり、様々な年齢の方で試すことができました。精度は悪くないのですが、大学生などの曖昧な部分にはまだ弱かったようです。成人済み確認ボタンを押すかどうかの判別には使えそうな結果となりました。

Cチームの「完熟バナナ識別」では驚くほどの高精度で識別を可能としていました。半分緑や、先端だけ緑でも完熟じゃないラベルをつけており、すぐにスーパーに導入できそうな完成度となりました。

最後にDチーム。「オシャレかどうか」ですが、Dチーム全員で試していただきました。どうやら......黒い服だとオシャレのよう....?スーツで参加いただいていた企業の方にも試していただいたところ、スーツははやりオシャレ!学習時に使用した画像に黒い服の人が多かったことが原因のようです。この日の合言葉は「黒い服を着ればオシャレ」になりました。黒い服、着よう。

各チームの講評が終わり、これでおしまい....ではありません。ここから、「実用的かつ、精度もよく、ユニークな結果」となったチームに投票を行います。

結果.............。

最もユニークな結果だったチームの投票でオシャレ度が過半数以上を占めているグラフ

過半数以上の票を獲得した「オシャレかどうか」を開発したDチームが1位でした!表彰状をプレゼントし、2日間にわたるハッカソンが終了しました。

投票と一緒にいただいた感想の中には......

自分たちで用意したデータを用いてDeep Learningを行うことは初めてだったのでデータの選定の仕方など学ぶことが多く大変ためになりました。 Deep Learningに関しては、今まで、データが用意されたチュートリアルに触れる程度だったが、今回は、画像収集のレベルからの取り組みを経験できた。日常の個人レベルでは、取り組みに腰が重たくなる領域である。貴重な経験になったと思う。 Deep Learningを気軽に楽しみながら使うことができて大変勉強になりました。 などなど.....!参加されたみなさまが、DeLTA-Familyを用いて楽しみながら簡単にDeep Learningモデル構築を体験いただけたようです。

また、今回のハッカソンを通じて、DeLTA-Lite、DeLTA-Kitを導入したいとの声も多くいただきました。学生でも、Deep Learningの知見のない企業の方でも、簡単にモデル構築のできるDeLTA-Lite、構築したモデルをすぐに試すことのできるDeLTA-Kitを授業で、会社で、お家で、ぜひ検討していただけると幸いです。また、ハッカソンを行うことももちろん可能です。沖縄から北海道まで全国どこでも行きますので、ぜひお問い合わせください!!!