明けましておめでとうございます。LeapMindでマーケティングを担当している永留です。
私たちLeapMindは、低消費電力・超高速で機械学習モデルの実行を可能にすることで高い評価を頂いているAI推論アクセラレータIP「Efficiera(エフィシエラ)」およびそのIP上で動作するネットワークモデルの開発に特化した事業を行なっており、エッジデバイス向けのAI開発に必要なハードウェアとソフトウェア、この両方を提供できることを強みとしております。
2020年10月に「Efficiera v1」の商用版リリースを発表し、2021年9月末までに国内8社とライセンス契約を締結しました。2021年11月には、「Efficiera v1」の導入実績と市場からのフィードバックを踏まえ、最小構成の回路規模はそのままに、より広い性能レンジをカバーし応用範囲を拡大した「Efficiera v2」を発表。FPGAだけでなくASIC/ASSPにも適用できる品質の確保と、Efficiera向けのディープラーニングモデル開発をユーザが行えるようにするモデル開発環境(NDK=Network Development Kit)の提供も開始しました。
現在7種類のハードウェアプラットフォームへのポーティング作業が完了、もしくは進行しており、当社が企業理念として掲げている「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」が、Efficieraの提供を通して着実に進んでいるという手応えを感じています。
このように、2021年の当社は「Efficiera v2」とそのIP上で動作するネットワークモデルの開発が中心となりました。そんな当社の2021年振り返りを簡単にまとめましたので、宜しければぜひご覧ください。
Efficieraとは?
FPGAデバイス上もしくはASICデバイス上の回路として動作する、CNNの推論演算処理に特化した超低消費電力AI推論アクセラレータIPです。量子化ビット数を1~2ビットまで最小化する「極小量子化」技術によって、推論処理の大部分を占めるコンボリューションの電力効率と面積効率を最大化するため、最先端の半導体製造プロセスや特別なセルライブラリを使用する必要がありません。本製品を利用することで、家電製品などの民生機器、建設機械などの産業機器、監視カメラ、放送機器をはじめ、従来は技術的に困難であった電力とコスト、放熱に制約のある小型機械やロボットなど、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能を組み込むことができます。詳しくはこちらをご覧ください。
Efficieraに関する2021年の取り組み
- 1月 CES2021のオンラインブースにて、民生機器向けのユースケースをご紹介
- 2月 「Efficiera」をXilinxのFPGAに対応させ、ザイリンクス社のアライアンスプログラムに参画
- EIZO株式会社が超低消費電力AI推論アクセラレータIP 「Efficiera」の共同性能評価を完了 - 3月 技術評論社の『[増補改訂]GPUを支える技術』に、Efficieraが掲載
- 5月 LeapMindの超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera」が、 ASIC/ASSP化へのRTL設計検証を実施
- 6月 Efficieraを支える基盤技術のうち3件の特許を取得しました。
LeapMind、極小量子化技術に関する特許を取得 - 8月 超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera」に関する特許を取得
- 9月 超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficieraバージョン2ベータ版」を公開
- 11月 「インテル® FPGA テクノロジー・デイ 2021」に協賛
- LeapMind、超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficieraバージョン2」を発表
Efficiera上で動作するネットワークモデルとは?
当社はEfficiera上で動作するネットワークモデルを複数開発しております。その中でも本日は以下2つのネットワークモデルについてご紹介します。
1. ノイズ除去[Noise reduction]
画像からノイズを取り除き、より高画質の画像を出力する技術です。
超解像とは異なり、解像度は変化しません。LeapMindの極小量子化ノイズ低減モデルなら、超低照度下で撮影されたノイズの多い画像から鮮明な画像へ変換できます。イメージセンサーやレンズを大型化することなく、スマートフォンのようなAIによる高画質化をエッジAIで実現できます。
消費電力・デバイスエリア・コストに制約のある組込みカメラ上でもリアルタイム動作できるAI画像処理、それがLeapMindのAIノイズリダクションモデルです。多様化するAI機能へのニーズに対応しお客様の製品に新たな付加価値をもたらします。
ノイズ除去[Noise reduction]に関する取り組み
2021年5月、6月、11月の合計3回自社ウェビナーを実施し、国内外から多くの静止画カメラ系OEMのASIC・ASSP選定に携わる開発設計者様、将来のカメラにAIによる新たな付加価値提供を検討している商品企画担当者様にご参加いただきました。講演資料はこちらをご覧ください。
2. 異常検知[Anomaly Detection]
大多数のデータとは振る舞いが異なる「異常な」データを検出する技術です。
LeapMindが開発する異常検知モデルなら、エッジデバイスでAI外観検査を実現できます。検査対象の仕様が変わっても現場で簡単にAI学習を行うことができるため、多品種少量生産ラインの外観検査自動化が可能です。
異常検知モデルは異常と判定した部分をヒートマップで可視化します。AIが異常と判定した理由を目視で確認できるため、誰でも安定した精度の外観検査を実現できます。
異常検知[Anomaly Detection]に関する取り組み
合計6回、自社ウェビナーおよびパートナー様との共同セミナーにて講演いたしました。
また、2021年11月のET&IoT2021展では、当社FPGAパートナーの株式会社ジーニック様ブースにて、異常検知モデル・デモを公開し、その様子をマイナビニュースとEE Times Japanにて取り上げていただきました。
Anomaly Detectin Efficiera異常検知モデルで外観検査を行うデモはこちら:
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以上が、2021年EfficieraとそのIP上で動作するネットワークモデルに関する取り組みでした。
詳細な説明のご依頼、ご相談、資料請求など、ご要望ございましたらお気軽にbusiness@leapmind.io までお問い合わせください。
今後も更なる技術革新、製品ラインナップ拡充によるAI普及に努めて参りたく、2022年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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