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●● × AI (Deep Learning)が日本で必要な理由

こんばんは。
LEAPMINDの三室です。

突然ですが、今月末の伊藤忠商事様の本社で行われるイベントに弊社も登壇いたします。
【2/27 15:00~】Innovators Meetup #3 Tokyo ~ マニュテック・カンファレンス〜

弊社では精度を落とさずに必要となる計算リソースを減らすことで、小さいコンピューティング環境でも稼働するDeep Learning技術を研究開発しているのですが、
今回のイベントでは、工場ラインで行う外観検査を始め、弊社の技術を使った製造現場における活用例について紹介いたします。

具体的な内容はイベントでぜひ聞いていただければと思うのですが、
なぜAIを使ったソリューションが現在日本に必要なのかについて、私の思っていることを記したいと思います。

生産年齢人口

https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2010/2010honbun/html/i2510000.html

こちらは経産省が出している「生産年齢人口比率」の推移です。
見ていただくと分かる通り、日本における生産年齢人口比率がみるみる低下しています。

また、こちらもご覧ください。

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https://www.aon.com/apac/human-resources/thought-leadership/talent-organization/APAC%20Trend%20Employee%20Engagement/2013-APAC_Trend_Engagement.jsp

Aon Hewittさんから出されている従業員の会社に対するエンゲージメントに関するレポートです。

なぜこれほど日本人のエンゲージメントが低いのか。
色々な理由があると思うのですが、1つの解決策としては
「この今の世界で日本人ならではの価値発揮できるフィールドを探す」
だと思っています。

戦後食べるものすら困っていた状態から、高度経済成長期を経て、
今の日本人は物質的豊かさを享受できるようになりました。

ちょうど今日、バングラデシュ出身のエンジニアとランチを食べながら
「日本人は料理するのか?バングラデシュでは、誰しも1日1回は料理する。でも、歩いているだけでレストランに当たる環境だと必要ないかもね」
と話していて、どれだけ日本が物質的に困らない環境かと感じました。

そんな状況で、人々の価値観は変わっていきました。
マズローで言うところの、自己実現欲求に集中するようになりました。

これを個人の問題に帰着させるのではなく、日本という集団で考えた時に、
これだけ生産年齢人口比率が低下する中で、「人」という日本が誇る重要な資源を今までと同じようにオペレーションに費やすべきなのかというところに疑問符がつきます。

かと言って、それを他国から受け入れてカバーするのかと言われると、
その答えは、難しいとなるでしょう。
中国やインドをはじめアジアでは、日本を上回るテクノロジーの研究が進められているからです。

そうすると日本はその一歩先をいく必要があります。

現状他国として平均以上に受けられる教育や、当たり前に時刻通りに来る電車など。
日本には、完全ではないにしろ、比較的恵まれた環境が、”まだ”あります。

しばしば「人工知能が職を奪うのか」という議論がありますが、
それに対してはこの比較的恵まれた環境を基に、新たな職を作っていこうというスタンスでいたいと思っています。

私は、人工知能が広まった世界というのは、あらゆる人が職を奪われている世界ではなく、
「新たな技術開発や、デザインや芸術/アート、教育といった知識/クリエティブ集約型の職の幅が広がる世界」
だと考えています。

●●-Techがもっと進めば良いと思っています。
その上で、日本人が価値発揮できるフィールドを全員で作っていければと強く思っています。

そうすれば生産年齢人口が減少する中でも、エンゲージメント高く、幸福度の高い日本に少しでも貢献できるのではと考えています。

偉そうなことを書いてしまいましたが、これが私が現在LEAPMINDに所属して成し遂げたいことです。
全ての問題解決のためには、政治などを含めたもっと多面的なアプローチが必要ですが、
私としては、LEAPMINDとしてテクノロジーで解決すべく、これからも精進していきたいと思います。

三室

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