私とディープラーニング連載第2回

私とディープラーニング連載第2回
2016年9月23日

 少し前から「機械学習」、「ディープラーニング」等の単語を耳にすることが多くなった。それらが流行りだした当初、僕は計算幾科学を専攻する大学生であり、いわゆる数理情報分野にはあまり詳しくなかった。ただ、単純に響きがかっこよかったので、興味本位で勉強を始めた。勉強を初めて1年くらい経った頃から、人工知能学会を始め、多くの書籍や論文が出版されるようになった。勉強しやすい環境になるのを嬉しく感じていたが、同時に少し嫌悪感もあった。出版された資料の中には「プログラムが自身より優秀なプログラムを作ることで無限に進化するため、将来的には人間がプログラムを組む必要は無くなるだろう」と謳っているものもあった。

僕自身がOSや言語処理系といった比較的泥臭い分野に携わっていたため、このような華やかな言葉にどうもいい気持ちがしなかった。自分が日々丹精を込めてプログラムを書いていることを否定されたように感じたからかもしれない。ただ、この僕の根拠のないモヤモヤはある事件をきっかけに完全に打ち砕かれることになる。

 2015年10月、GoogleのAlphaGoが囲碁のヨーロッパ王者を下したニュースを見た。これは後にAlphaGoが世に知られる原因になる大勝利に比べれば非常に小さなニュースあったが、僕には大きな衝撃が走った。当時、囲碁の研究を行っている先輩とよく交流しており、囲碁AIについても多少の知識があった。当時の認識では囲碁AIが一流の棋士に勝つにはCrazyStore(当時最強の囲碁AI)の実力を考慮しても後15年ほどかかると考えられていて、僕も概ねそんなものだろうと思っていた。

しかし、そんな中で突如現れたAlphaGoがプロに快勝した。僕はAlphaGoの高度な知能それ自体より、プログラムが人間が認識できない領域の最適化を行ったという事実にとても驚いた。今までは高度なプログラムを作るには設計者の知識や職人的な技術が必須であった。ただ、AlphaGoはプログラム自身が学習し、よりよく進化することができる可能性を示した。このニュース以降、僕は自身の「プログラムは職人が手間暇かけて作るもの」という認識をすべて改め、ディープラーニングをはじめとする、機械学習の周辺知識を勉強し始めた。職人として素晴らしいプログラムを生み出すより、自ら素晴らしいプログラムに進化するプログラムに魅力と感じたからである。

 現在、僕は先端技術系スタートアップLeapMindで深層学習を高速かつ省電力で提供する基盤の設計を行っている。現状のコンピュータアーキテクチャでは高知能プログラムを利用する上で大量のGPUなどの計算資源と電力が必要である。

しかし、小さい規模のコンピュータ(チップなど)でこれらを搭載することは難しい。そのため、これらの資源を必要最低限に抑えられるように最適化されたハードウェア基盤を設計している。この基盤に学習プログラムをインストールしてパッケージとしてベンダに提供することで、自社で技術を持たない企業でも高知能なプログラムを利用できるようにすることを目的としている。今の僕の目標は、この基盤を利用してもらうことで、身の回りの全てのコンピュータが自ら進化するものになることだ。

Q&A
Q1: 何で弊社を知りましたか?
Web上の求人サービス

Q2: 弊社に興味を持たれたのはどこですか?
機械学習、ディープラーニングの分野にで研究、設計に携わることができるところ

Q3: 弊社での業務は何をやっていますか?
自社製プラットフォームデバイスの基盤設計

Q4: 入社前後の会社の雰囲気や環境の違いはありますか?
特になし

Q5: ズバリ弊社の魅力は?
研究や設計など開発における基幹業務に携われます!
社内に博士号保持者や海外出身者が多く在籍、グローバルで少数精鋭のメンバー

Q6: 深層学習のイメージは変わりましたか?
高性能化だけでなく、利便性、省エネルギー性など深層学習の新しい側面を知ることができました。

Q7: 将来の夢をお聞かせください。
・ノイマン型アーキテクチャを超える高知能プログラムに最適化された計算機アーキテクチャの設計
・FPGA等の技術を利用したみずから学習、進化するハードウェアの実現

Q8: これから入ってくる人にひと言、お願いします。
機械学習分野で学術、実践の両方を生かして活躍したい人はぜひきてください!

山田貴登 HARDWARE ENGINNER

貴登山田

Posted by 貴登山田

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